台湾では、旧暦の九月九日は重陽の節句です。祝日ではないですが、歴史の長い重陽の節句は、意義が
ある行事です。
奇数の「九」は陽数の極であり、陽は重なる縁起のいい日とされています。この日には、邪気を払い長寿を願う習慣があります。これにより、重陽の節句にはさらに「敬老」の意味が含まれており、現代社会で重視されています。
今回は台湾の重陽の節句について、風習を紹介します。
重陽の節句に高いところに登れば、災厄をさけることができるという古来からの言い伝えは魏晋南北朝時代から伝わったと考えられています。
さらに、旧暦の九月は気候が良く、爽やかな秋の気候はハイキングにふさわしいため、この風習は今でも残っています。また、秋に咲き誇る菊の花も重陽の節句の風物詩の一つです。
鑑賞のほか、香りがよく、お酒に添えて飲むと災厄を避ける効果があると考えられているため、重陽の節句に不可欠です。
なお、台湾の重陽の節句には、たこをあげる風習があります。特に新竹地方では、旧暦の九月から「九降風」が吹いてくるので、満天にたこが飛んでいる光景は壮観です。
一方、台湾人は伝統的に重陽の節句に先祖を敬います。移民社会である台湾では、ビン南人も客家人もこの日に供え物を用意し、先祖を敬います。これも敬老の表現の一つだと見なすことができるでしょう。そして、供え物として「發糕」を用意する習慣があります。これは「糕」と「高」は発音が同じだからだという説があります。
高齢化社会が進んでいる今では、重陽の節句も一層意味深くなってきています。この日に多くの地方政府は思いやりの気持ちでお年寄りに「敬老金」を配ります。
さらに、ハイキングなどを勧められる重陽の節句は、スポーツイベントを推奨する日でもあります。
この日に、菊酒を飲んで、長寿を願い、ご家族とハイキングに行き秋の景色を楽しむのもいいでしょう。